審美歯科治療料金表
審美歯科用語集
All-on-4(オールオン4・オールオンフォー)は最新のインプラント治療。
ポルトガルのパウロ=マロが提唱しているコンセプト。
パウロ=マロはAll-on-4コンセプトに基づいたマロクリニックを世界中に展開している。無歯顎のケースで臼歯部にインプラントを埋入できる十分な骨量がなく、従来の方法であると骨移植が必要となる場合でも上顎なら上顎洞ー上顎洞間、下顎ならオトガイ孔ーオトガイ孔間の比較的骨質の良好な部位にインプラントを後方部には傾斜埋入、前方部に通常埋入を行い4本のインプラントを埋入し、手術当日にプロビショナルを装着し即時負荷する術式?治療方法。審美的な点では歯茎の部分を人工歯肉で再現することにある。喪失した歯肉はレジン樹脂やハイブリッドレジン、ポーセレンによって再現される。
知られている名前はAll-on-4であるが、元々骨質のよくない日本人には、診断に基づいて1本から2本インプラントを追加することがある。 All-on-4手術によりインプラント治療の適応がかなり広がった。
無歯顎のケースだけではなく、重度の歯周疾患で動揺歯が存在する場合でも手術中に抜歯を行い無歯顎にした上で手術が可能。PIB(プロセラ・インプラント・ブリッジ)にて製作された最終補綴物は、天然歯と同様の審美性を回復し、健康な歯があった時と同様な咬合力を得ることができる。
上顎の場合、上顎洞ー上顎洞間の骨量さえも少ないケースが稀にありAll-on-4でも対応できない場合がある。
その場合は、頬骨(Zygoma・ザイゴマ)にザイゴマインプラント埋入することによって治療が可能になる。
この方法は、後方臼歯部だけザイゴマインプラントを用いる場合はAll-on-4Hybrid、前方・後方ともにザイゴマインプラントを用いる場合、All-on-4Zygomaと分類される。
E-line
エステティックライン(Estheticline)は人の側貌において、鼻の先端とあごの先端を結んだ線の事である。 Eラインとも呼ばれる。口元の突出感の判断に用いられる
いわゆる美しい口元の基準として用いられ、矯正治療の診断の重要な基準であり、またこの改善が治療目的の一つでもある。1954年に、歯科矯正医ロバートリケッツが提唱した。極めて美しい横顔をもつ場合、上下の唇がエステティックラインに触れず、少し後ろにあるのが美と定義されている。
日本人成人においては、その鼻が欧米人より低いため、上下唇が共にラインに接した位置にあるのが一般に美の範疇とされる。歯並びや噛み合わせが悪いとこのエステティックラインが崩れる。出っ歯(上顎前突)の場合、上唇がラインから前方にはみ出し、受け口(下顎前突)の場合は下唇や下あごが前にはみ出す。口元全体がラインから突き出す場合は形成外科的に「ガミーフェイス」という。
歯並びが悪くはないが、エステティックラインより上下の唇が突き出す場合には鼻骨の高さ、顎骨のいずれかの形成に不足していることがいえる。
GTR法
GTR法(guidedtissueregeneration)は歯周外科後、メンブレンを挿入することにより歯周病の炎症により破壊されたセメント質などの硬組織を新生させ、喪失した付着の回復はかる歯科の治療法である。1982年にヨーテボリ大学(スウェーデン)のスティーレ・ニーマンらによってGTR法の成功が初めて報告された。歯周組織再生誘導法または組織再生誘導法ともいう。
従来型の歯周病治療で行なわれる歯周外科後の治癒過程では、歯肉上皮が創面を覆う速度が一番速いため、その治癒形態は、長い上皮性付着と接合上皮性付着の組み合わせからなっていた。GTR法は、歯周外科後にこの歯肉上皮と歯肉結合組織が歯根面に到達することを防ぐメンブレン(膜)を使用することにより、歯根膜由来の組織/細胞がセメント質新生を伴う新しい結合組織性付着(新付着)を形成できるようにする方法である。メンブレンには非吸収性のものと吸収性のものがある。
GTR法はスペースメイキングを行い歯根膜由来のセメント質を新生させる方法であり、エムドゲインはエナメルマトリックスタンパクを用いる事によりセメント質を誘導する。エムドゲインの方が付着力は強い。
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アセタルクラスプ
アセタルクラスプはホワイトクラスプとも呼ばれ、熱可塑性レジンのアセタルを用いたクラスプのことである。白い色調で製作ができるため審美的に優れたクラスプを作成する事ができる。
アマルガム
アマルガム(amalgam)は、水銀と他の金属との合金の総称である。
広義では、混合物一般を指す。ギリシャ語で「やわらかいかたまり」を意味するmalagmaを語源とする。水銀は他の金属との合金をつくりやすい性質があり、常温で液体になる合金も多い。歯科治療用[編集]
アマルガムは歯科修復材料として知られる。アマルガムが歯科修復材料として使われだしたのは1826年のフランスといわれる。現在はあまり使われていない。
【アマルガム修復】
アマルガム修復(しゅうふく)とは、歯の修復に際して、修復材料にアマルガムを用いる修復法。近年日本では水銀の害の問題が大きいためあまり使用されていないが、安価であることから使用している国は多い。アマルガムが歯科修復材料として使われだしたのは1826年のフランスといわれる。
【適用】
ほぼすべての窩洞に適用できるが、審美性が低いため通常前歯では用いない(ただし、裏側には用いられることがある)。I級窩洞が最も適応する。ただし、I級窩洞でも範囲が広い場合は金属インレー等を用いた方がよいと言われている。
【銀スズアマルガム】
現在使われているもので、銀とスズの合金に銅や亜鉛を添加した粉末を、水銀で練ったものである。歯質との接着性はないが、硬化時に膨張するためぴったり患部をふさげることや、なにより手軽で安価なことが長所であるが、見た目が金属色(銀灰色)で目立つこと、そして水銀が溶け出すおそれがあることが短所である。 銀スズ合金と水銀との反応はアマルガメーション(amalgamation)と呼ばれる。反応は銀スズ合金粉末内に水銀が拡散し、合金の表面と水銀が反応する過程を経て中心に未反応部分を残しながら結晶化する。
インレー
インレー(inlay)は、歯科医療で、窩洞(虫歯を削った後の穴)にはめ込む詰め物。
なお、インレーとは元来は象嵌(ぞうがん)を意味する。
インレーと同様の詰め物だが咬頭頂を超え歯冠の一部を覆うものをアンレー(onlay)といい、通常のインレーより強度が必要になる。 インレーの材料として金属が広く使われている。強度は高く割れにくいが、長期的には変形を起こし、歯との間に隙間が生まれ、2次カリエス(虫歯の再発)の可能性がある。銀色(金合金では金色)で、審美性は悪い。金合金以外は、長期的には錆びて溶出し、金属アレルギーを起こすことがある。熱伝導性が高く、熱いまたは冷たい飲食物に対し過敏になることがある金属以外の材料として歯と同色の材料としてセラミックがある。セレックのようにCADCAMでブロックから削りだされるものから耐火模型上で作られるもの、溶かして鋳込むものがある。セラミックは歯と近似した色合いで変色もせず、審美性は最も優れている。磨り減りにくく変形もしにくいが、割れやすい(実際に割れることはまれ)。治療費は比較的高価。その他の歯とおなじような色調の材料としてハイブリッドがある。セラミックに微量のレジンを混合させて使う。長所と短所はセラミックに準ずるが、セラミックよりは割れにくく、すり減り易い、わずかに変色する。セラミックよりは安価。
エムドゲイン
エムドゲイン(EmdogainR)はビオラ社(BioraAB 本社:スウェーデンマルメ市、2003年よりスイスのストローマン(Straumann)の傘下)により発売されているエナメルマトリックスデリバティブを主成分とする歯周組織再生誘導材料。
スウェーデンのカロリンスカ研究所で、ビオラ社の創立者のDr.Hammarstromらにより開発された。日本では1998年に厚生労働省の認可がおり、2002年に改良版であるエムドゲインゲルが認可されている。
原則健康保険が利かない自由診療の治療。歯周病における従来型の治療は歯石、壊死セメント質などの炎症を惹起させる原因物質を除去し、治癒を促すものだったが、すでに破壊された歯周組織の再生は難しかった。エムドゲインは歯周外科の治療後に塗布することにより、破壊されたセメント質などの再生をはかるものである。作用機序としては、エナメルマトリックスタンパクは硬組織を無細胞性に誘導する作用があることを応用している。歯の発生時、ヘルトヴィッヒの上皮鞘から分泌されたエナメルマトリックスタンパクは歯根膜にある未分化の間葉組織に作用し、セメント芽細胞に分化させ無細胞性セメント質をつくりだす。エムドゲインは幼弱豚の歯胚より抽出されたエナメルマトリックスタンパクを主成分とした薬剤であり、歯周外科の治療後に塗布する事により上記と同様に歯根膜にある未分化の間葉組織がセメント芽細胞に分化し無細胞セメント質が再生する事を期待するものである。
似た治療法としてGTR法があるがGTR法はスペースメイキングを行うのみの治療法のため、できるセメント質は有細胞セメント質となり、無細胞セメント質のエムドゲインと比較すると象牙質との付着力は弱い。エムドゲインを改良したものがエムドゲインゲルである(どちらも商品名)。
「エムドゲイン」は主剤と溶解液の2剤構成だったが、「エムドゲインゲル」は混合溶液(主剤と溶解液)をあらかじめシリンジに充填したもので、従来品と比べて操作性の向上が図られている。またエムドゲインは非加熱製剤であったがエムドゲインゲルは加熱製剤となっている。
オールセラミック
オールセラミックは、歯のクラウン(かぶせ物、差し歯)やブリッジ治療における金属を使用しない最新の治療法。 従来の治療法としては歯のクラウンおよびブリッジ治療において、十分な強度を確保するため、金属をフレームのベースとし、その上にセラミックを焼き付けたり、レジンを前装することが一般的であった。しかしながら、歯の自然観の表現が素晴らしいこと、金属アレルギーや歯肉の後退等による金属の露出によるブラックラインの出現等金属を使用する為におこる問題が無い為近年一般的な治療法となりつつある。金属と同程度の強度を持つジルコニア含有の白色のセラミック材料の出現や、およびそれを人工の歯に加工するための一連の装置(CAD/CAM、連動した削りだし機器)の出現により、従来までの金属の代わるジルコニア・セラミックスによる歯のクラウンおよびブリッジ治療が可能となった。
この出現により金属アレルギーやブラックライン出現のリスクの回避目的で審美歯科への応用もなされるようになった。日本国内において、ジルコニア・セラミックスによる治療は2005年にデンツプライ社によりセルコンという名称で厚生労働省の医療用具としての認可を経て開始された。海外では2002年より現在まで200万人以上が使用している。
2006年度以降、その他国内外の歯科関連会社が新たに参入しており、今後の歯科治療において、金属に変わる素材としてジルコニアは大きな期待をされている。
現時点で世界の主流として使用されているセラミックとしてはエンプレスがある。ジルコニアよりは強度は落ちると考えられるが、審美的に優れた高強度のセラミックとしての歴史的な評価は非常に高い。
一般に審美性重視であればエンプレス、強度重視であればジルコニアとの意見もあるが、ジルコニアをコア材と考えた場合、築盛する陶材の強度こそ重要である。 また材料学的問題より、印象採得による得られた模型の精確性や咬合接触関係の再建等、治療の精度こそ長期的な予後の安定につながるのは自明のことで、使用材料にあまりに重きを置いた修復計画は破綻を招くものとなろう。 材料の優劣には見解に相違がある。その他インプラントメーカーとしては業界NO1の売り上げのノーベルバイオケア社のプロセラ有名。
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コンポジットレジン修復法
コンポジットレジン修復法(コンポジットレジンしゅうふくほう)とは歯牙欠損の修復に際して、有機複合材料として歯冠色に近似したコンポジットレジンで欠損部を補うものである。近年、日本では行われなくなってきたアマルガム修復法などと替わり、歯冠修復の重きを成している。
かつては歯冠色修復法としてシリケートセメントが20世紀初頭から利用されていたが、物性その他に問題が認められた。1940年代にはメチルメタクリレート(MMA)系即時重合型レジンが用いられていたが、歯質の充填材料としては充分な性質を具備しておらず、特に合成樹脂であるレジンの熱膨張係数の大きさや強度の不十分さが問題となった。そこで、レジンの中に無機質のフィラーを配合することによって問題の解決を図った複合材料であるコンポジットレジンが誕生した。
当初はレジンとフィラーが化学的な結合を持っていなかったために、フィラーの脱落等による磨耗や色素沈着が見られた。しかし1962年に米国のR.L.Bowenがシランカップリング処理によりフィラーとレジンの化学的な結合を実現させ、1964年には世界初のコンポジットレジン製品Addent35が米国3M社より発売された。またコンポジットレジン修復法の治療法としての定着には、1955年のM.G.Buonocoreによるエナメル質のエッチングによる歯質接着性の改善も大きな役割を負っている。
日本においては総山孝雄らのトータルエッチング・ボンディング法が提唱されたことによっても研究開発、臨床応用が盛んになり、アマルガム修復法からコンポジットレジン修復法に治療の主軸が替わっていった。これによってG.V.Blackによる窩洞形態の分類は過去のものになりつつある。
コンポジットレジンは各社様々な種類のものが発売されており、分類が困難ではあるが、重合方式で大別すると「光重合型」と「化学重合型」に分けられる。が現在は光重合型が主流 ワンペーストタイプで光照射器から光線を受けることで重合が開始する。現在用いられているものは可視光線重合型コンポジットレジンである。このレジンには重合開始剤である光増感剤カンファーキノンと促進剤が含まれており、473nm前後の波長の光を照射することで重合が開始される。通常は20秒の照射で2~3mmの重合深度がある。
コンポジットレジンの接着に用いられる接着システムは、基本的には歯面処理材、プライマー、ボンディングレジン(接着材)とから成る。
歯牙との接着方法として1955年にBuonocoreによってエナメル質をリン酸処理することによりエナメル質に微細な凹凸を作り機械的嵌合で接着することが可能であることが報告された。
切削されたエナメル質では、通常エナメル小柱が突出したパターンとなっている。
また、エッチング処理によりスミヤー層が溶解除去され、さらにエナメル小柱構造に基づく凹凸が形成され処理面の表面積は著しく増大する。これは小柱の境界部が脱灰されやすいことや、小柱の部位により耐酸性が異なることによる。
象牙質に対する歯面処理は、酸処理の歯髄への影響が懸念され象牙質の酸処理に対して反対論があった。しかしスメア層・スメアプラグの除去および脱灰象牙質のコラーゲン線維の露出により接着力が上がることが分かってきた。
1978年に総山によってトータルエッチングが提唱された。
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歯科用CAD/CAMシムテム
歯科用CAD/CAMシステム(しかようキャドキャムしすてむ)とは、口腔内に装着される修復物や補綴物の設計及び加工に用いられる複数の装置をCADやCAMの技術を用いて統合したシステムのこと。歯科治療の際に口腔内に装着される修復物や補綴物(インレー、部分被覆冠、全部被覆冠、ブリッジ、部分床義歯、全部床義歯、インプラント上部構造など)は、そのほとんどが、手作業により製作されてきた。その製作工程(設計や加工)の一部をコンピュータ制御の機器に置き換える一連のシステム。これにより、作業の効率化がはかられ、品質のバラツキを抑えることが可能となり、また、従来は利用できなかった材料の利用を可能にするといったメリットがある。
初期のシステムの多くは、従来のクラウン、ブリッジの製作工程の代替手法として開発が進められた。しかし、1本の歯冠形状が10mm四方程度、歯列全体でみても100mm四方程度のワークエリアに対し、1~10?程度の計測・加工精度を要求するのに適した技術は産業界では意外と少なく、当初は満足のいく精度とコストパフォーマンスを確保することが難しかった。このため、しばらくの間は思ったほどには普及が進まなかったが、近年、ジルコニアセラミックスの開発・普及にともない、この材料がCAD/CAMシステムの利用をほぼ必須としていること、コンピュータの性能が向上してパソコンのレベルで3次元の立体を自在に扱えるようになったこと、などにより急速に普及し始めて現在に至っている。
審美歯科
審美歯科(しんびしか)とは、美しさに焦点を当てた総合的な歯科医療分野のこと。歯には機能的な側面と、審美的な側面があり、ともに健康に関しては重要な要素である。しかしながら、健康保険制度での治療は機能的な歯科治療に偏重しがちであり、審美歯科的な治療を行うには限界がある。
日本歯科審美学会では歯科審美学を次のように定義している。
「歯科審美学とは、顎口腔における形態美・色彩美・機能美の調和を図り、人々の幸福に貢献する歯科医療のための教育および学習に関する学問体系である。」審美歯科の具体的内容は、歯列矯正、ホワイトニング、オールセラミック、その他特殊材質による人工歯などがある。近年では、スカイスといわれる歯のピアスを施す歯科も増えてきている。
接着性レジン
接着性レジンはPhenyl-PやMDPなどのリン酸エステル系のものと4-METAおよび4-METなどのカルボン酸系のものに大別される。これらモノマーのリン酸基やカルボン酸基は親水性基であるため歯質との接着に有効であると言われている。これら接着性レジンモノマーはボンディングレジンとして用いられてきたが、プライマーとしても有効であることがわかりセルフエッチングプライマーとして用いられるようになる。
エナメル質との接着は処理面に隙問なくボンディングレジンが侵入硬化して、嵌合効力を発揮することにより強大な保持力が発揮されると考えられている。エナメル質表面が極性化されることや、ボンディングレジンの歯質親和性がレジンとエナメル質との濡れ性に影響する。また、セルフエッチングプライマーによる脱灰効果はリン酸と比べるとマイルドであり、凹凸形成は軽度である。ポンディングレジンの性能向上により、このような処理面にも高い接着強さが得られることが確かめられている。
象牙質への接着については現在行われている象牙質との接着は第3世代接着システムと分類される。これは象牙質との接着をより高めるためにボンディング処理を行う前に、象牙質に対して歯面処理を行うものである。処置としては、脱灰力の低い濃度のクエン酸やマレイン酸、硝酸、リン酸、シュウ酸塩、あるいはEDTA等で切削象牙質面に存在するスミヤー層を除去し、さらにHEMAなどのプライマーでボンディング材の象牙質への浸透を高めることによって強固な接着をはかることが可能となる。
接着性レジンモノマーと有機成分や無機成分との化学的な反応による接着も期待されてはいるが、明確な証拠は示されていない。現在のところ、脱灰象牙質にレジンが浸透して硬化することによって形成される樹脂含浸象牙質による、微細な機械的保持が重要な因子とされている。また、開口した象牙細管内にレジンが侵入して硬化したレジンタグによっても、ある程度の機械的な保持力が発揮されると考えられている。また、樹脂含浸象牙質の形成を確実にするために、セルフエッチングプライマーや、ウェットボンディング法が導入されている。しかしながら、樹脂含浸層内部には、水分の影響などでレジンの浸透が十分でなかったり、レジンの硬化が不十分でなかったりすることもある。
セルコン
セルコンは、酸化ジルコニウム含有の歯科補綴材料である。
スイスのチューリッヒ工科大学とドイツのデグデント社(現デンツプライ社)によって開発された。金属と同等の強度、セラミックの生体親和性、審美性を有するため、金属アレルギーや審美を求める患者の歯科補綴治療に使用されている。
1960年代より現在まで歯科補綴材料には、メタルボンドポーセレンクラウンが広く使用され、特に前歯の差し歯に一般的に普及している。その一方で、金属の裏打ちによる色彩、金属アレルギー、歯肉との境目の部分の変色等の指摘もあり、金属を使用しないセラミックスのみの補綴治療に期待がされていた。しかし、そのセラミックスも強度、製作の困難さ、適合性等の課題があり、金属並みの強度を持ちセラミック並みの審美性のある補綴治療材料が待たれていた。
セルコンは、酸化ジルコニウム含有のセラミックスジルコニアブロックをCAD/CAM技術で削りだし、加工する材料である。曲げ強度が900メガパスカルあることから、奥歯等のブリッジにも対応でき、口腔内全てをオールセラミックス(オールセラミック)で補綴することを可能とした。
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ダイアグノデント
ダイアグノデント(DIAGNOdent)は、カボ社(KaVo 本社:ドイツ)が開発したレーザーを用いた虫歯診断装置。齲蝕の進行状況を数値表示する。レーザーから発せられた特定波長のパルス光が、歯質に作用し変調した歯質を検知すると異なった波長の蛍光光刺激をする。この光はハンドピースを通ってシグナルに伝わり、ダイアグノデントのユニット内の電子システムによって波長を読みとる。
利点としてレントゲン、肉眼で発見できない初期のう蝕を発見できること、探針などのハンドインスツルメントを用いた場合に起こるCOう蝕を破壊、悪化させる事がないこと探針などのハンドインスツルメントでは発見できないしずく形状の裂溝の底のう蝕も発見できることう蝕の経過を数値的に追えるため、経過観察中のう蝕の進行度合いが把握でき、MIに役立つことがあげられる。
テンポラリー・クラウン
テンポラリー・クラウン(Tek、仮歯)は、歯科治療で用いられる暫定的な補綴物の事。前歯部においては最終補綴物を合着するまでの間の審美問題を解決する事に、臼歯部においては咬合の安定化をはかるために用いる。近年、審美的治療の発達、および精密な咬合確認が必要なデンタルインプラント治療の普及により使用頻度が増してきている。審美歯科領域においてブラック・トライアングルの解消等の歯間乳頭の整形を行い、最終補綴物の形の参考に用いる目的のものを特にプロビジョナルレストレーション(プロビと略す事も多い)と呼ぶことがある。プロビジョナルレストレーションとして用いる場合は回復する歯肉にあわせて、また最終補綴物の形を模索するために段階的に数度作り直すことや間接法を用いて歯科技工所で製作する事も多い。
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ファイバーコア
ファイバーコア(FibreCore、ファイバーポストコア)は、歯科診療での支台築造(神経を取った歯にかぶせ物をする際に歯を補強する方法)で用いる材料の一つ。太さ約10?mのガラス繊維を束ねその間にレジンを含浸・重合させたもの。弾性係数が保険診療で用いる金属製ポストと比べ象牙質と近似しており、歯のたわみに応じて屈曲しながら応力を分散し、歯への負担を大幅に軽減する事が可能になる。健康保険のきかない自由診療。
メタルコアと比較した利点として歯と一緒にたわむため、歯根破折をおこしにくく歯に優しいと言われている。
オールセラミッククラウンと併用することによりメタルフリーの治療が可能となり、金属アレルギーを起こさず、また金属層がないため透明感があるより自然な色調の審美的補綴が可能となると言われている。
金属製のコアと違いイオン流出がないため、歯肉が黒ずむことがないと言われている。
欠点として脱離や破損などトラブルが多いことが上がられる。脱離した場合、残存歯質が感染したり2次カリエスの可能性も指摘されており、必ずしも歯牙に優しくないとの指摘もあり、アメリカでの使用は近年減少傾向にあると言われる。
ブラック・トライアングル
ブラック・トライアングルとは、歯間乳頭(歯と歯の間の歯肉)が退縮し、黒い三角形の隙間として見える審美障害のこと。
加齢や歯周病、咬合性外傷、成人矯正等による。またデンタルインプラントやブリッジのポンティック等もともと歯間乳頭をもたない場合も生じる。治療法としてコンタクトの調整があげれる。Tarnowらの調査でコンタクトポイントから歯槽骨頂までの距離が5mm以下であれば100%ブラックトライアングルが消失することがわかっている。(6mm-98%と徐々に治癒率は低下する)よってロングコンタクトを与える。
コンタクトポイントから歯槽骨頂までの距離を5mm以下にするため通常点で接しているコンタクトをやや長めな面で接触させる方法。補綴物を作成する際にロングコンタクトにする方法と矯正治療中で歯を動かせる状態であれば歯の隣接面にスライスを入れて面接触を作る方法などがある。
ペル・イングヴァール・ブローネマルク
ル・イングヴァール・ブローネマルク(Per-IngvarBrånemark1929年5月3日-)はスウェーデンの整形外科医、医学者、歯学者。デンタルインプラントにブレークスルーを起こしたオッセオインテグレーションの発見者であり、世界的に著名なデンタルインプラントシステムである
ブローネマルクインプラントシステムの開発者。「現代デンタルインプラントの父」<1>と呼ばれる。エピテーゼの研究者でもある。
スウェーデンのルンド大学医学部で1952年、兎の脛にチタン製の生体顕微鏡を取り付け微少循環の観察実験を行っていた。その器具を外そうとした際チタンと骨がくっつき外せなくなったことより、チタンと骨の組織が拒否反応を起こさず結合する現象であるオッセオインテグレーションを発見した。その後ヨーテボリ大学に移籍し、研究を続け1965年に現在主流となる世界初の純チタンによるデンタルインプラントシステムの臨床応用を開始。最初の患者は先天性歯牙欠損に悩むヨスタ・ラーソンという名前の34歳の男性で、彼は上下顎にデンタルインプラント手術を行い、そのインプラントはその後彼が亡くなるまで41年間問題なく機能した。1989年にはオッセオインテグレーション技術の普及のため、スウェーデンのヨーテボリにブローネマルク・オッセオインテグレーション・センター(BOC)を設立。BOCはその後ブラジル、東京など世界9ヵ国に設立され現在に至る。現在はブラジルサンパウロ州バウルーに在住し、デンタルインプラントの治療、指導を行っている。また、インプラントを使って固定したエピテーゼの研究も行っており、それに関した著書も多数執筆している。
息子のリガードも外科医であり人工関節付きの義足、指の再建の等の研究を行っている。
著書
「TheOsseointegration Book:From Calvarium to Calcaneus」 2006年4月 QuintessencePubCo ISBN1-85097-090-4
「Osseointegration And Esthetics In Single Tooth Rehabilitation」 2000年8月 QuintessencePubCo ISBN8-58742-535-8
ホワイトニング
ホワイトニングとは白くすること。美容上の用語として用いられることが多く、化粧品の分野では肌の美白の意味で、審美歯科の分野では歯を白くする意味で用いられる用語である。 歯科におけるホワイトニングとは、審美歯科の一分野であり、広義の意味では「歯を白くすること」全てを指す。例えば歯のクリーニング(PMTC)から始まり、ブリーチング、マニキュア、ダイレクトボンディング、ラミネートベニヤ、セラミッククラウンまで、全てをホワイトニングということができる。狭義の意味ではいわゆる「ブリーチング(歯牙漂白)」のことを指し、現在一般に使用されているホワイトニングはこのブリーチングのことを指すことが多い。
ホワイトニング(いわゆるブリーチング)は、過酸化水素が分解する際に発生するヒドロキシラジカルやヒドロペルオキシラジカルなどのフリーラジカルが、歯の着色有機質の二重結合部分を切断し、低分子化することにより起こる「無色化」により、歯の明度を上げることにより白くする方法である。
ホワイトニングには歯科医院内で行う「オフィスホワイトニング」と、自宅で行う「ホームホワイトニング」、その中間の「アシステッドホワイトニング」、神経のない歯に対して行う「ウォーキングブリーチ」などがある。通常、オフィスホワイトニングには15.38%の過酸化水素製剤、ホームホワイトニングには5.38%の過酸化尿素製剤が使用される。オフィスホワイトニングでは、この薬剤にハロゲンライト、プラズマアークライト、レーザー、LEDなどを当てて、過酸化水素の分解を促進する。
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ラミネートベニア修復法
ラミネートベニア修復法(ラミネートベニアしゅうふくほう)とは、歯の唇側表面を削合しセラミックの板を貼り付ける治療法。日本では保険外治療。歯科における修復法のひとつ。主に審美性の向上を目的として適用されることから、前歯部、および犬歯を対象とすることが多い。原則として歯の唇側表面をエナメル質の範囲内(0.5~0.7mm程度)削合し、セラミックス又は硬質レジンの薄い板(ラミネートベニア)を歯に貼り付けることにより、歯の色や形態、歯冠離開などの改善を行う。歯科接着剤の発展により確立してきた修復法である。
ルートプレーニング
ルートプレーニング(rootplaning)とは、スケーリング終了後に、歯根表面の汚染・軟化されたセメント質や象牙質を除去し歯根面を硬く滑沢に仕上げることを目的とする歯周基本治療の一つである。歯根面を硬く滑沢に仕上げることで、歯周炎の原因を取り除き、歯肉の再付着を促すことになる。
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