
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
毎日丁寧に歯磨きをしており、コーヒーやワインなど着色のつくような飲み物を控え、またタバコも吸っていない。でもなぜか歯の色が「茶色」「ねずみ色」グレーっぽく変色していたり歯の色がまだら模様のようになって長年悩まれているという方がいます。その歯は「テトラサイクリン歯」かもしれません。風邪薬のシロップなどに使われている、抗生物質の大量摂取が原因と言われています。
テトラサイクリンとは?
子供が風邪をひいた際に処方されるシロップにこのテトラサイクリン系抗生物質が含まれていたことから、以前の日本、特に昭和40年代に多く使われていた時期がありかなり多くのテトラサイクリン歯がみられました。永久歯が作られはじめる0~6才の時期にこの抗生物質を服用すると、骨や歯の象牙質に着色を起こすことがしられるようになりました。現在は妊婦や子供への使用は控えるのが一般的です。
テトラサイクリン歯とは?
0~3才までの服用では、前歯の先端から真ん中にかけて、3才~6才頃であれば、真ん中から根本というように服用した時期によって変色の位置が変わります。テトラサイクリン歯は紫外線を浴びることにより出現する傾向にあるため、生えてきたばかりの永久歯ではほぼわからず、成長とともに色が濃くなってきます。テトラサイクリン歯は紫外線を浴びることにより出現する傾向にあるため、生えてきたばかりの永久歯ではほぼわからず、成長とともに色が濃くなってきます。
テトラサイクリン歯の特徴
テトラサイクリン歯は変色のレベルにより、4種類に分類されます。
①淡い黄色、褐色、灰色で歯全体が着色している。 縞模様はない。
②歯全体が着色していて、上記よりも全体的に色が濃い。 縞模様はない。
③濃い灰色、青みがかった灰色をしている。 縞模様がある。
④全体的に濃い着色が強くみられ、縞模様もある。
テトラサイクリン歯を白くする方法
幼児期の薬品(テトラサイクリン)による着色にはオールセラミックでの治療をおすすめしております。軽度の場合はホワイトニングでも改善することがありますが重度のテトラサイクリン歯は、ホワイトニングでは改善が難しいケースが多く白いかぶせ物をして色を目立たなくする方法をおすすめしています。

メタルボンドが一部金属を使用しているのに対して、全てをセラミック素材で作成します。一つの歯にセラミックの冠をすっぽりとかぶせます。そのためオールセラミックは、体に対する異害作用がなく、最も生体親和性が高くなります。つまり体に優しく、金属アレルギーのある患者様にも安心です。
また、全てがセラミックであることの利点として、セラミック自体の透明性を一層活かすことができ、「最高級の素材」となります。
従来のセラミックは、メタルにセラミックを焼き付けるタイプのものでした。これはメタルにより光が遮断され透明感が出にくく、歯肉とのラインが黒ずんで見えてしまいます。
オールセラミックはメタルを一切使用しないことで、天然歯の色調、透明感を再現し、より自然な仕上がりとなります。ただし歯の表面全体を大きく削るという難点があります。

左)幼少時の薬の副作用で黄ばんだ歯になっていました。右)上下16本オールセラミックで治療しました。
ご自身の歯の色が気になる場合はまずはご相談を
ご自身の歯の色が気になりセルフケアでホワイトニングや薬剤での方法を繰り返されていたがまったく効果が見られないというご相談があります。自分の歯がグレーっぽくなっていたりまだら模様になっている場合はテトラサイクリン歯の可能性があります。気になる場合は自己判断でセルフケアを行わずまずは専門家に歯の状態をご相談下さい。
