
こんにちは。香川県高松市で咬み合わせを専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。
セラミックを入れたあとの違和感について、こんなご相談をいただきます。
- 「入れてから何となく噛みにくいのですが、見た目はきれいなのです」
- 「レントゲンを撮って異常なしと言われました。でも、しっくりこないのです」
- 「そのうち慣れると言われて、半年たちました」
そのほとんどの方が、「気にしすぎなのだろうか」とご自身を疑っています。しかし、噛んだ感じの違いは、患者さまの感覚が一番早く気づきます。そして、その感覚はたいてい当たっています。
今回は、なぜレントゲンに写らない違和感があるのか、そして何を調べれば原因にたどり着けるのかを、順にご説明します。
レントゲンに写るもの、写らないもの

写るもの
レントゲンは硬いものの形を写します。虫歯の広がり、根の先の炎症、骨の減り方、被せ物の適合の大きなずれ。こうしたものは画像で分かります。
ですから「レントゲンで異常なし」は、こうした問題がない、という意味では正しい診断です。
写らないもの
一方で、噛んだときの高さの差は写りません。
上下の歯が当たる強さ、当たる順番、顎を横に動かしたときのすれ違い方。これらは動きの中で起きることなので、静止した画像には出てきません。
0.1ミリ程度の高さの差でも、噛んだときの感覚は変わります。髪の毛1本ほどの厚みですが、歯は0.02ミリの差を感じ分けられると言われています。画像に写らない差を、お口が先に気づいているのです。
違和感の正体として多いもの

その歯だけが先に当たっている
もっとも多いのがこれです。新しく入れた被せ物が、周りの歯よりわずかに高い。噛むたびにその歯が最初に当たるため、噛みにくさや、噛みしめられない感じが出ます。
放っておくと、その歯の周りの骨に負担がかかり、歯が動いてくることもあります。
横に動かしたときに引っかかっている
まっすぐ噛んだときは合っているのに、顎を横に動かすと当たる。この場合、ご本人は「何となく気持ち悪い」「顎が疲れる」という形で感じます。
食事のとき、顎は上下だけでなく左右にも動きます。すりつぶす動きの途中で引っかかると、その違和感は毎食出ます。
噛む面の形が、以前と変わった
山と谷の形がわずかに変わると、食べ物の流れ方が変わります。「食べ物がそこに挟まる」「舌が当たる」という訴えになることがあります。
歯の神経が落ち着いていない
削った刺激で神経が一時的に敏感になっている場合もあります。この場合は時間とともに落ち着くことが多いのですが、他の原因と区別しておく必要があります。
「慣れる」のを待ってよい場合と、待たないほうがよい場合
装着直後の数日は、多少の違和感が出ることがあります。ここは様子を見ていただいて構いません。
一方、次のような場合は、慣れるのを待つ間に他の場所へ影響が広がることがあります。
- 2週間以上たっても、噛みにくさが変わらない
- その歯を噛むと、ひびくような感じがある
- 顎が疲れる、朝のこわばりが出てきた
- 別の歯が痛み始めた
噛みにくさを避けようとして、反対側ばかりで噛むようになると、今度はそちら側に負担が移ります。次に痛む場所が変わっていく、という形で影響が広がります。
何を調べれば分かるのか
当院では、次のような検査で原因を確かめます。
- どの歯が先に当たっているか — 薄いフィルムを噛んでいただき、当たる順番と強さを調べます
- 顎を横に動かしたときの当たり方 — 引っかかっている場所を探します。違和感の原因として一番の手がかりになります
- かかっている力の大きさ — 咬合力を測り、左右の差を見ます
- 被せ物の縁の状態 — 歯ぐきとの境目に段差や隙間がないかを確認します
- 歯の内部 — 必要に応じて3Dデジタルレントゲン(CT)で、通常のレントゲンに写らない部分を確認します
調整で収まることもあれば、作り直しが必要な場合もあります。どちらになるかは、検査の結果をお見せしてからご説明します。
費用の目安(自由診療・税込) オールセラミッククラウン 1本 110,000円/セラミックインレー・アンレー(詰め物)1本 55,000円〜77,000円/被せ物に土台(コア)が必要な場合 1本につき 22,000円
主なリスク・副作用 咬み合わせの調整では歯やセラミックの表面をわずかに削ります。作り直す場合は再度歯を削る処置を伴い、神経の処置が必要になることがあります。セラミックは強い力が加わると割れたり欠けたりすることがあります。調整後も力のかかり方が変われば再調整が必要になる場合があります。
こんな方は一度ご相談ください
- セラミックを入れてから、噛んだ感じが以前と違う
- 「レントゲンでは異常なし」と言われたが納得できていない
- 「慣れます」と言われて、2週間以上たっている
- その歯を噛むと、ひびくような感じがある
- 違和感を避けて、片側ばかりで噛んでいる
- 顎が疲れる、朝にこわばりを感じるようになった
- 治療した歯とは別の歯が痛み始めた
ひとつでも当てはまる場合、原因は気のせいではない可能性があります。
この記事のまとめ
✅ レントゲンは硬いものの形を写しますが、噛んだときの高さの差は写りません
✅ 「レントゲンで異常なし」と「咬み合わせが合っている」は別のことです
✅ 違和感の原因として多いのは、その歯だけが先に当たっている、横に動かしたときに引っかかっている、という2つです
✅ 装着直後の数日は様子を見てよいのですが、2週間以上続く場合は調べる価値があります
✅ 患者さまの「しっくりこない」という感覚は、検査で裏づけが取れることが少なくありません
よくあるご質問
Q. 違和感があると伝えたのに、調整してもらえませんでした
まっすぐ噛んだときの当たりだけを見ていると、横に動かしたときの引っかかりは見つかりません。調べ方の違いです。他院で入れた歯でも拝見しますので、どこが当たっているのかを確かめるところから始めましょう。
Q. 削って調整すると、セラミックは弱くなりませんか
調整の量と場所によります。表面をわずかに整えるだけで収まることもありますし、削る量が多くなるなら作り直しのほうが良い場合もあります。どちらが妥当かは、当たり方を見てご説明します。削ったところは研磨して仕上げます。
Q. 自分で噛み合わせを確かめる方法はありますか
上下の歯を軽く合わせて、どこが最初に当たるかを感じてみてください。左右で違いがあるか、特定の歯だけが強く当たるか。この感覚は診察でも大切な手がかりになります。ご自身で削ったり、硬いものを噛んで慣らそうとすることは避けてください。
Q. 入れ直しになったら、費用はまたかかりますか
他院で入れた歯を当院で作り直す場合は、あらためて費用がかかります。調整で収まる場合は調整のみで済みます。まず検査で原因を確かめ、どちらになるかをご説明したうえで、ご納得いただいてから進めます。
Q. 違和感を放っておくと、どうなりますか
その歯を避けて噛むようになると、反対側の歯に負担が移ります。強く当たり続けた歯は、周りの骨に負担がかかって動いてくることもあります。時間がたつほど、原因の歯を特定しにくくなります。
ご相談ください
「見た目はきれいなのに、噛んだ感じがどうしても気持ち悪い」「異常なしと言われたけれど、自分の感覚は違う」
そのどちらのお気持ちも、検査をしてみると整理がつくことが多いのです。当院では、咬み合わせの検査で当たる順番と力の向きを調べ、3Dデジタルレントゲン(CT)で歯の内部の状態を確認したうえで、今の状態と選べる方法をご説明します。初日に治療を始めることはありません。
他院で入れた歯でも拝見します。前の治療の良し悪しを申し上げるためではなく、今どういう状態にあるかを確かめるところから始めます。
ご予約は、24時間受け付けているネット予約、またはお電話(087-818-1118)からお願いいたします。