
こんにちは。香川県高松市で咬み合わせを専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。
白い歯をお考えの方から、必ずいただくご質問があります。
- 「セラミックは、何年くらいもちますか」
- 「保険の歯より長もちするのでしょうか」
- 「一生もつものですか。それとも作り直しが必要ですか」
当然のご質問だと思います。ただ、この問いに「○年です」とだけお答えするのは、実は誠実ではありません。同じ材料で同じように作っても、10年以上そのままの方と、2年で欠ける方がいらっしゃいます。
今回は、その差がどこから来るのか、そして長くもたせるために何ができるのかを、順にご説明します。
「何年」で答えにくい理由

セラミックは、時間がたって劣化する材料ではありません。金属のように錆びることもなく、プラスチック系の材料のように色が変わっていくこともほとんどありません。
ですから、寿命を決めているのは材料の側ではないのです。決めているのは、その歯に毎日かかっている力です。
同じ材料でも、力が一点に集まっている歯と、うまく分散している歯では結果が変わります。年数で答えにくいのは、この差のほうが材料の差より大きいからです。
壊れ方は、だいたい決まっています

拝見していると、セラミックの不具合は次の五つに分かれます。
欠ける — 縁や先端が小さく欠ける。強い力が一点に集まっている場合に多いのです。
外れる — 接着が外れて取れる。接着そのものではなく、外れる方向に力がかかっていることが原因のことがあります。
縁から虫歯になる — 歯との境目に段差や隙間ができ、そこから細菌が入ります。
歯ぐきが下がって境目が見える — 被せ物は変わっていないのに、歯ぐきの位置が変わって縁が出てきます。
歯そのものが割れる — 白い歯は無事でも、支えている歯の根が割れることがあります。これが一番大きな問題になります。
どの壊れ方をしたかで、力がどこからかかっていたかが分かります。ですから壊れたときは、その場で作り直すより先に、どう壊れたかを見ておく必要があるのです。
もちを決めるのは、材料より力です
「もっと丈夫な材料にすれば長もちしますか」とよく聞かれます。
強度を上げると、白い歯そのものは欠けにくくなります。ただ、力の量が変わらなければ、無理が別の場所へ移ります。次は接着が外れる、あるいは支えている歯の根に負担がかかる、という形です。
丈夫にすることは有効ですが、それだけでは片方しか対策していないことになります。力を減らす方向と、受け止める方向の両方を考える必要があります。
就寝中の力は、ご自身では分かりません

食事のとき、私たちは食べ物の硬さを感じながら力を加減しています。ところが就寝中は、その加減が働きません。
朝起きたときに顎が疲れている、奥歯の噛む面が平らにすり減っている、頬の内側に噛みしめの線がある。こうした跡がある方では、白い歯に強い力が長時間かかっていることになります。
ご自身に覚えがないのが当然で、注意力の問題ではありません。ただ、この力を確かめずに入れると、年数の予想がまったく立たなくなります。
入れる前にできること
検査で力の向きと大きさが分かると、設計を変えられます。
力が集中している場所に継ぎ目が来ないようにする。噛む面の形を整えて、一点に集まらないようにする。奥歯の高さが落ちている場合は、そちらを先に整えてから前歯に進む。強い力がかかる場所には、強度に優れた材料を選ぶ。
どれが必要かは、検査の結果で変わります。逆に、力の状態を確かめないまま白い歯を並べると、材料を替えても同じ場所から壊れていきます。
費用の目安(自由診療・税込)オールセラミッククラウン 1本 110,000円/ジルコニアクラウン 1本 165,000円〜220,000円/セラミックインレー・アンレー(詰め物)1本 55,000円〜77,000円/被せ物に土台(コア)が必要な場合 1本につき 22,000円/就寝時用マウスピース 1個 22,000円
主なリスク・副作用セラミックは強い力が加わると割れたり欠けたりすることがあります。歯を削る処置を伴うため、神経の処置が必要になる場合があります。装着後に一時的なしみや違和感が出ることがあります。マウスピースは慣れるまで眠りにくさを感じることがあり、使用しない期間が続くと歯を守る働きは得られません。咬み合わせの状態によっては適応にならない治療があります。
入れたあとにできること
入れて終わりではなく、そのあとに差が出ます。
咬み合わせを定期的に見る — 歯は少しずつ動きます。入れた時点で合っていた当たり方が、数年後に変わっていることがあります。早めに気づけば、調整で収まります。
就寝時のマウスピースを使う — 食いしばりの跡がある方には、お使いいただくことをおすすめしています。癖を治す装置ではなく、力を受け止めて歯と白い歯を守る装置です。
縁を丁寧に磨く — 縁から虫歯になるのを防ぐには、歯と被せ物の境目の清掃が要になります。当てる角度をお伝えします。
違和感を放置しない — 「噛みにくい」「顎が疲れる」は、力の配分が変わった合図のことがあります。
「何年保証」より大切なこと
保証年数をお尋ねになる方もいらっしゃいます。
ただ、数字そのものより大切なのは、壊れたときに原因を確かめられるかどうかです。原因を確かめずに同じものを作り直せば、同じ年数で同じことが起こります。
当院では、壊れた部分をお持ちいただいたうえで、割れ方から力の向きを読み取ります。そのうえで、調整で足りるのか、設計を変えるのか、先に別の歯を整えるのかをご説明します。
こんな方は一度ご相談ください
- これからセラミックを入れようとしている
- 入れたセラミックが2回以上、欠けた・外れた
- 朝起きたときに顎が疲れている、こわばっている
- 歯科で「食いしばり」「歯ぎしり」を指摘された
- 奥歯の噛む面が平らにすり減ってきた
- 白い歯を入れてから、咬み合わせを見てもらっていない
- 何年くらいもつのか、説明を受けたことがない
ひとつでも当てはまる場合、年数の見通しは検査で立てられます。
この記事のまとめ
✅ セラミックは時間で劣化する材料ではなく、寿命を決めているのは毎日かかる力です
✅ 壊れ方は、欠ける・外れる・縁から虫歯・歯ぐきが下がる・歯の根が割れるの五つに分かれます
✅ 材料を丈夫にするだけでは、無理が別の場所へ移ることがあります
✅ 就寝中の力は自覚できないため、跡から読み取って設計に反映します
✅ 入れたあとの咬み合わせのチェックと、縁の清掃で差が出ます
よくあるご質問
Q. 保険の白い歯より長もちしますか
材料の性質が違うため、色の変化やすり減り方には差が出ます。ただ、欠けるか外れるかについては、材料より力のかかり方のほうが大きく関わります。保険で入れて長く使えている方もいますし、自費で入れて早く欠ける方もいます。その歯の位置と力の状態でご説明します。
Q. 硬いものを食べないようにすれば長もちしますか
気をつけていただくことは有効です。ただ、欠ける方の多くは硬いものを噛んだ覚えがありません。原因が就寝中の力にある場合、日中の食事に気をつけるだけでは足りないのです。まず力の状態を確かめることをおすすめします。
Q. 欠けたら必ず作り直しになりますか
小さな欠けであれば、研磨で整えたり樹脂で補ったりして様子を見ることもあります。ただ、それは力のかかり方に対しては何もしていない状態です。繰り返している場合は、原因を確かめてから判断します。
Q. 定期的に見てもらうのは、どれくらいの間隔ですか
お口の状態によって変わりますが、力の集中がある方や食いしばりの跡がある方は、間隔を短くしておいたほうが安心です。調整で収まるうちに気づけるかどうかが分かれ目になります。初診の検査のあとに、お一人ずつの間隔をお伝えします。
Q. 他院で入れたセラミックでも診てもらえますか
はい。前の治療の良し悪しを申し上げるためではなく、今どういう状態にあるかを確かめるところから始めます。欠けた部分が残っていればお持ちください。割れ方から力の向きを読み取る手がかりになります。
ご相談ください
「せっかく白くするのだから、長くもたせたい」「でも、何年もつのか誰も教えてくれない」
そのどちらのお気持ちも、検査をしてみると整理がつくことが多いのです。当院では、咬み合わせの検査で力の向きと大きさを調べ、3Dデジタルレントゲン(CT)で歯と骨の状態を確認したうえで、今の状態と選べる方法をご説明します。初日に治療を始めることはありません。
ご予約は、24時間受け付けているネット予約、またはお電話(087-818-1118)からお願いいたします。